ディズニー三部作
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- /AI/ChatAI千夜一夜/0070/0079.かぼちゃの馬車と魔法の鏡
プロローグ
かつて、豊かな王国があった。
城下町では祭りのたびに王室から住民にアップルパイが配られ、笑顔が溢れていた。
しかし、その繁栄は過去のものとなり、今や王国は暗い影に包まれている。
第1章: 森の隠れ家
白雪姫は森の奥深くで静かに暮らしていた。
彼女は可憐な少女で、実は王女だった。
父王が亡くなり、継母が王国を乗っ取ってから、白雪姫の生活は一変した。
王宮では使用人が次々と解雇され、祭りは中止され、城下町の賑わいは火が消えたようになった。
白雪姫は継母の圧迫に耐えかねて、王宮を出て森に潜伏することを決意した。
彼女は自分の身の回りの世話を自分でしなければならないほどだったが、自由を求める心は強かった。
第2章: 冒険の始まり
森での生活は厳しいものだったが、白雪姫は様々な冒険を経て仲間を見つけた。
女王やその取り巻きが黒い服を着ることを好んでいたために、彼らは皆、白い服を着ていた。
白は純潔の象徴であり、豪雪の日に生まれたという白雪姫の白をも象徴していた。
やがて同志の輪は広まり、皆で白服を着て王宮へ押しかける計画を立てた。
城下町で暴動を起こし、王宮へ侵入し、女王の政府を転覆するのだ。
第3章: 王宮の反乱
白色革命が始まった。
使用人や衛兵がまばらになっていた王宮は、暴徒の侵入を許し、略奪や虐殺が始まった。
白雪姫とその仲間たちは、王宮の中で女王と対峙した。
女王は「そんなに玉座が欲しいならばくれてやる」と言い残し、塔から身を投げて死んでしまった。
第4章: 真実の発見
白雪姫とその仲間たちは、政権を掌握したものの、すぐに政権運営の難しさに直面した。
白雪姫は、亡き女王が国家の支出を極端に削減し、個人的な蓄財に当てていたと思い込んでいた。
そして、その蓄財を当面の政策資金としてあてにしていた。
しかし、実際には国庫は空っぽであり、女王の持参金や宝石類、ドレスすらもなくなっていた。
女王やその配下の官僚が質素な黒衣を着ていたのは、彼らが邪悪な魔女や魔法使いだからではなく、また吝嗇であるからでもなかった。
単に、国家の財政が危機的だったからだ。
第5章: 過去の真実
白雪姫は、王国を含むこの地方が長年にわたって天候不順に見舞われ、人々が飢えに苦しんでいたことを知る。
さらに、疫病が蔓延していたことも明らかになった。
しかし、父王は、農村に無理を強いて、城下町の繁栄を演出していた。
それは虚栄心からばかりではない、城下町の繁栄は統治や外交に必要不可欠だったからだ。
父王が戦死した年は小麦やジャガイモがほとんど実らなかった。
父王は、その冬を乗り切るために、いよいよ非常手段をとることを決意する。
大勢の兵士やあぶれ者とともに南の国に攻め込み、略奪で春まで暮らそうと計画したのだ。
男衆は南の国で略奪をしながら食いつなぎ、女衆や子供は男どもがいなくなった分備蓄を多く食べられれる。
南の国の住民には申し訳ないが死んでもらうしかない。
しかし、父王の軍団は、疫病がまん延して弱っているところを南の国の王子率いる騎士団に攻撃され、壊滅してしまう。
父王を含む多くの男衆が返らぬ人となった。
第6章: 女王の決意
残された女王は、必死の思いで国と白雪姫を守ろうと決意した。
隣国とは急いで屈辱的な条件で講和し戦争を終わらせた。隣国にも戦争を続けるだけの力は残っていなかったのだ。
そして、彼女は農村を守るために年貢を大胆に引き下げ、かつ、収められた年貢の一部を村に下げ渡して飢饉対策の食糧備蓄とさせた。
また、城下町の貧民には、疫病と戦争で人口が減った農村への移住を勧め、その原資も提供した。
数年後には、この国は、この地方で唯一餓死者を出さない国となった。
第7章: 誤解と真実
一方で、祭りなどの不急不要の費用はすべてカットされ、王宮のスタッフも抱えきれなくなった。
また、軍隊も他国の飢餓難民を追い返すために国境地帯に展開された。
そのため、城下町の様子しかしらない人々にとっては、女王は外国からやってきて、私欲のために国を寂れさせた悪人と映ったのだ。
白雪姫もその一人だった。
女王は、白雪姫に、以前のような贅沢を禁じ、自分の身の回りのことを自分でさせた。白雪姫はこのことを、自分の王族としての権威を失墜させるための策謀と考えていた。しかし、白雪姫をそう教育したのは、国の現状を考えたうえで、女王なりに良かれと思ってのことだったのだ。
そして、白雪姫が、森で暮らしたり、革命を主導できたのも、そういった教育方針の賜物であったのだ。
第8章: 白色革命の代償
白雪姫は、白色革命に参加した城下町の住民を満足させるため、女王が作った村々の食料備蓄を徴発し、城下町で祭りを開催した。 住民にはアップルパイがふるまわれ、城下町の人々は繁栄が戻ったことを実感した。 しかし、その繁栄は長くは続かなかった。
第9章: 黒衣の官僚の粛清
女王の元で何とか国を支えていた黒衣の官僚たちが粛清されると、行政、特に財政は次第に麻痺し始めた。
農村からの度重なる徴発は再び国を飢饉に陥れ、疫病が蔓延し始めた。
第10章: 革命の影
国内に不満が高まると、白雪姫は城下の浮浪児たちに白い服を着せて、政府への不満を取り締まらせた。
城下町で飢餓が始まると、祖父母は父母に、父母は子供に、自分たちの食べるものを与えた。結果として多くの孤児が残されることになったのだ。彼ら・彼女らは住む家と毎日の食べ物を失い、目だけをギラギラさせて城下町をさまよう浮浪児となった。白雪姫は彼らに仕事と役割を与えて、革命政府の先兵とした。
飢餓を生き延びた大人は、少しでも革命政府への不満や女王の時代を懐かしむことを話すと、「政治的に正しくない発言をした」と白服を着た子供たちに告発され収容所送りになった。 時には、悪さをした子供を叱った大人が腹いせに告発されることもあった。
第11章: 滅亡の危機
村々からは農民が逃散し、城下町では飢えと病気が広まりだした。
かつて豊かだった国、そして飢饉や疫病を乗り越えつつあった国は、今や滅亡の危機に瀕していた。
しかし、大人たちは子供たちの密告におびえて、建設的な提案どころか、ちょっとした不満も言い出せなくなっていた。
あの身分制度があった女王の時代でさえ、家族や友人との会話を理由に罰せられることはなかった。それは立派な政治のあらわれというよりは、むしろ、そんなことで罰せられるなどと考えもつかない、という類のものだった。ところが、白色革命を経て平等が達成された今、実際に口にせずとも、心のうちで考えていることが「アップデートできていない」という理由で重い罰が科せられるようになっていた。
第12章: 遅すぎた理解
白雪姫はようやく、女王が最後に言った「そんなに玉座が欲しいならばくれてやる」の意味が分かった。
玉座に座るものは、すべての国民の生命や幸福に責任を持ち、それに失敗した場合には容赦なく処断されるのだ。
そういった意味で、玉座は針の筵、王冠は奴隷の首枷とも言えた。
そんな重責の中でも女王は白雪姫を気にかけてくれていた。森に潜伏していた白雪姫が、村々が飢饉にあえぐ中、毎日パンを食べられ、高価な石鹸で身を清潔にできたのは、父王の時代を懐かしむ篤志家による支援によるものではなく、女王がよこした小遣いによるものだった。
当時の白雪姫は森に潜伏して自分の力で生き延びたつもりだったが、女王にとっては単なるわがまま娘の家出だった。義理の娘をどう扱ったらいいのかわからなかったのと、政情不安の中、誘拐や暗殺を避けるために丁度良かったので許されていたのだ。
白雪姫に親切にしてくれた鉱夫のドワーフや失業中の宮廷楽師は、女王に白雪姫の護衛と身の回りの世話を命じられていたのだ。
しかし、わかったときにはもう遅かった。
白雪姫は、自分の行動が女王によって立ち直りつつあった国を混乱に陥れたことを痛感し、深い後悔の念に駆られた。
そして、そのツケを払わなければならないことをヒシヒシと感じていた。
仲間を粛清し、国民の思想を統制しなければ、今すぐそのツケを払わされる。
しかし、国民を弾圧し、歴史を改竄すれば、やがてその報いも含めたツケを支払わされることになるのは明らかだった。
おしまい