- ヨシュアによるカナン平定から、統一王朝ができるまでの内憂外患の話
- この時期のイスラエル人は、強力な統一王朝をつくっておらず、12部族の緩い連合体がカナンを統治していた
- 士師は、この時期に地方政権を率いて困難に立ち向かった指導者。世襲ではない。(世襲できるような安定した状況を作れなかった)
- 大士師 : 外敵に立ち向かった英雄
- 小士師 : 内部対立の調停者
- 大士師
- オテニエル(3章)
- エホデ(3章)
- デボラ(4章〜5章)
- ギデオン(6章~8章)
- エフタ(10章~12章)
- サムソン(13章~16章)
- 小士師
- シャムガル(3章)
- トラ(10章)
- ヤイル(10章)
- イブツァン(12章)
- エロン(12章)
- アブドン(12章)
第一章
- ヨシュアの死後、ユダ族とシメオン族はエルサレムからガザまでの地を占領した
- その他の部族は、原住民を駆逐することができず、彼らと共存することになった
第二章
- 神の御使いが現れて、イスラエル人が神との契約どおり原住民を殲滅しなかったので罰を与えることを宣言する
- Judges 2:3 それでわたしは言う、『わたしはあなたがたの前から彼らを追い払わないであろう。彼らはかえってあなたがたの敵となり、彼らの神々はあなたがたのわなとなるであろう』と」。
- Judges 2:4 主の使がこれらの言葉をイスラエルのすべての人々に告げたので、民は声をあげて泣いた。
第三章〜第十六章
章 | 内容 | 年数 | 主な登場人物 |
---|---|---|---|
第三章 | 異民族による支配 | 8年 | メソポタミヤの王クシャン・リシャタイム |
第三章 | イスラエルによる支配 | 40年 | オテニエルにより開放 |
第三章 | 異民族による支配 | 18年 | モアブの王エグロン |
第三章 | イスラエルによる支配 | 80年 | エホデにより開放。 エホデは、イスラエルの機密を売るといいエグロンに近づき、腿に潜ませたドス(長さ1キュビット(45cm)の剣)で刺し殺す。 人払いしていたので、暗殺が露見するのが遅れ、逃げおおせる |
第三章 | イスラエルによる支配 | シャムガル。「牛のむちをもってペリシテびと六百人を殺した」 | |
第四章 | 異民族による攻勢 | 20年 | カナンの王ヤビン、将軍シセラ。900両の戦車 |
第四章 | イスラエルによる反撃 | 40年 | 女預言者デボラ、将軍バラク。 会戦でシセラを打ち破り、戦局を好転させる。やがてカナンの王ヤビンを打ち倒しカナンの地の支配権を取り戻す |
第六章 | 遊牧民による攻勢 | 7年 | ミデアンびとが、収穫期ごとに来襲し、農作物や家畜を根こそぎ持っていく |
第七章 第八章 | イスラエルによる支配 | 40年 | ギデオンによる反抗。 ギデオンの呼びかけに応じた2万2千人から300人を選抜してミデアンびとの宿営地を夜襲して勝利。 ヨルダン川を超えて追撃し、カナンの地に平穏をもたらす |
第九章 | イスラエル内乱 | 3年 | ギデオンの子アビメレクが70人の兄弟を殺害し王となる。 各地で相次ぐ反乱の鎮圧に東奔西走するなかで、包囲していた砦から投げられた臼に頭蓋骨を砕かれる |
第十章 | イスラエルによる支配 | 23年 | トラ |
第十章 | イスラエルによる支配 | 22年 | ヤイル |
第十章 | 遊牧民による攻勢 | 18年 | アンモンびとが東から、ペリシテびとが南西からイスラエルを襲う |
第十一章 第十二章 | イスラエルによる支配 | 6年 | エフタ。勇士ギレアデの子だったが、遊女の子だったので本妻の子らに邪険にされ、やくざの頭になる しかし、ギレアデの一族の者はアンモンびとに負け続け、最後の頼みとエフタに指導者となるように頼む。 エフタはアンモンびととの会戦に望み、勝利のあかつきには、家に帰って最初に出迎えたものを神に捧げると願をかける。 会戦はエフタの大勝利、アンモンびとを打ち負かす。 自分の家に帰ったエフタを一人娘がいの一番に出迎えたので、エフタは泣く泣く一人娘を神への犠牲として捧げた。 エフライム族が、ギレアデは俺らの支族のくせに勝手にアンモンびと討伐を行った(そして莫大な戦利品を得た)と言いがかりをつけてきたので、 エフタはエフライム族を襲い4万2千人を虐殺 |
第十二章 | イスラエルによる支配 | 7年 | イブザン |
第十二章 | イスラエルによる支配 | 10年 | エロン |
第十二章 | イスラエルによる支配 | 8年 | アブトン |
第十三章 | 異民族による支配 | 40年 | ペリシテ人 |
第十三章 第十四章 第十五章 第十六章 | イスラエル | 20年 | サムソン アノマと妻には子供が生まれなかったが、天使が救世主の誕生を告げる。 「あなたは身ごもって男の子を産むでしょう。 その頭にかみそりをあててはなりません。 その子は生れた時から神にささげられたナジルびとです。 彼はペリシテびとの手からイスラエルを救い始めるでしょう」 サムソンは怪力でさんざんペリシテびとを打ち破り、20年間イスラエルを統治した。 サムソンはデリラという女を愛したが、デリラはペリシテびとに買収されていた。しつこくデリラに弱点を聞かれたサムソンは ついに髪を切られると力を失うことを明かしてしまう。 寝ている間にデリラに髪を剃られて怪力を失ったサムソンはペリシテ人に捕えられ、両目を潰されて獄に繋がれる。 しばらくして、ペリシテびとがサムソンを辱めようと、神殿に引き出して「戯れ事」をさせた。 しかし、獄中で髪が伸び、怪力が戻っていたサムソンは神殿の柱を打ち倒し、見物していた 3000 人のペリシテびとを道連れに圧死した |
第十七章
- Judges 17:6 そのころイスラエルには王がなかったので、人々はおのおの自分たちの目に正しいと思うことを行った。 (= 倫理観が混乱していた)
- エイフラム族にミカという男がいた
- あるとき母親の元から銀1100枚が盗まれた (現代の銀価格で数十万円)。ミカが、自分が盗んだと告白して銀を返すと、母親はそれを祝福してその銀で2つの像を作った。
- ミカは、祠を立てて像を祀り、息子の一人を祭司とした
- しばらくして、ベツレヘムからレビ族(祭司族)の放浪者が流れ着く、ミカは彼を説得して祠の祭司とした。ミカはレビ族の祭司を得たことを喜んだ
第十八章
- ダン族が、ペリシテびとからの圧迫に耐えかねて、嗣業の地を捨てて移動を始める
- ミカの屋敷に投宿したダン族は、件のレビ族の祭司を仲間に加えて、祠に祀られている像や神具を奪った。
- ミカは衆寡敵せず、それを黙認した
- Judges 18:27 さて彼らはミカが造った物と、ミカと共にいた祭司とを奪ってライシにおもむき、穏やかで、安らかな民のところへ行って、つるぎをもって彼らを撃ち、火をつけてその町を焼いたが、
- Judges 18:28 シドンを遠く離れており、ほかの民との交わりがなかったので、それを救うものがなかった。その町はベテレホブに属する谷にあった。彼らは町を建てなおしてそこに住み、
- Judges 18:29 イスラエルに生れた先祖ダンの名にしたがって、その町の名をダンと名づけた。その町の名はもとはライシであった。
- ダンの町はバビロン捕囚まであり、銀の像も町の神殿に祀られていた - - 極悪非道 「穏やかで、安らかな民のところへ行って、つるぎをもって彼らを撃ち、火をつけてその町を焼いたが、 ... (彼らは) ほかの民との交わりがなかったので、それを救うものがなかった」
第十九章〜第二十一章
- あるレビ人、妾が怒って実家に帰ってしまった
- 四ヶ月たって、そのレビ人は妾をベツレヘムの実家に迎えに行った
- 舅はそのレビ人を歓迎し宴会三昧。そのレビ人は五日目の夕刻に妾を連れて出立する
- エルサレムで宿を取ろうという予定であったが、日が暮れたので途中のギベアで宿を取ることにした
- ギベアでは、だれも彼らに宿を貸してくれなかったが、見かねた老爺が宿を貸してくれた
- 夜半になって、老爺の家を町の人々が取り囲み、そのレビ人を犯させろと騒いだ
- そのレビ人は妾を差し出した
- Judges 19:25 しかし人々が聞きいれなかったので、その人は自分のめかけをとって彼らのところに出した。彼らはその女を犯して朝まで終夜はずかしめ、日ののぼるころになって放し帰らせた。
- Judges 19:26 朝になって女は自分の主人を宿してくれた人の家の戸口にきて倒れ伏し、夜のあけるまでに及んだ。
- Judges 19:27 彼女の主人は朝起きて家の戸を開き、出て旅立とうとすると、そのめかけである女が家の戸口に、手を敷居にかけて倒れていた。
- Judges 19:28 彼は女に向かって、「起きよ、行こう」と言ったけれども、なんの答もなかった。
- そのレビ人は、妾の遺骸を12個に切り裂いてイスラエルの 12 部族それぞれのもとに送り、報復を呼びかけた
- ベニヤミン族が何故かギベアに味方
- 11部族の戦士 40万人 vs (ベニヤミン族の戦士 2万6千人 + ギベアの精兵 700人)
- 数を頼んで攻め寄せた11部族は、2回手痛い敗北を被る
- 3回目は伏兵を用意して万全の体制で攻め寄せる。ベニヤミン族の戦士は、荒野に逃げた 600人をのぞいて殺される。
- 11部族は、今後ベニヤミン族には娘を嫁がせないと誓った
- しばらくして11部族は、このままでは12部族から1部族がなくなることに気づく
- そこで、このたびのキベア討伐に参加しなかったヤベシ・ギレアデを襲い、400人の処女を捕虜にし、その他の住人をことごとく殺した。そして、その400人をベニヤミン族の生き残りに娶せた
- また、例年シロの町で契約の箱を祀る祭りが行われるが、そこに集まった女達を誘拐してベニヤミン族の生き残りに娶せた
- このようにして、ベニヤミン族は領地を立て直した
- Judges 21:25 そのころ、イスラエルには王がなかったので、おのおの自分の目に正しいと見るところをおこなった。 (= 倫理観が混乱していた)